語学だけではなくて

新渡戸スクール受講の動機を教えてください

社会人を経て再び入学したこともあり、博士課程では、より実践的な知識やスキルを習得したいという目的意識がありました。特に、語学習得には絶好のチャンスと考えていたので、日常的に英語に触れられる学習環境を求めていました。入学式で配布されたパンフレットやチラシを物色していたところ、新渡戸スクールのパンフレットに出会いました。

写真には、熱心に話し合いながら付箋を並べる学生たちの姿や、留学生と日本人学生が肩を並べてプレゼンする様子が映っていました。「私もこうなれるかしら?」と、新しいスキルが身につく予感に心が躍り、受講を決めました。

また、大学院生向け授業としては珍しく、全専攻が対象ということも魅力的でした。函館キャンパスでは本学の学生と交流する機会が非常に少ないので、研究室やキャンパスの垣根を飛び越えて他分野の学生と交流し、自らの視野を広げる絶好のチャンスだと思いました。

 

新渡戸スクールで印象深い出来事や授業を教えてください

印象深いことは、仲間との信頼関係の大切さです。

私は函館キャンパスに所属しているため、通信によって授業に参加しました。しかし、技術が発達した今日でも、通信を利用した多人数でのディスカッションには様々な課題があります。例えば、固定カメラのため視野が限られる、集音マイクが全員の発言を拾いきれない、ホワイトボードに書かれた文字が小さくて見えないなど一見些細なことのようですが、スピードが求められる双方向のディスカッションには致命的な課題です。このため、当初は受講を諦めかけたこともありました。

では、どうやって毎週参加できたのか。それは、オフィススタッフの方々や先生方のご尽力によって受講環境が整備されたこと、そして何よりも仲間の手助けのおかげです。よく見えるようにとカメラを持ち上げて映してくれたり、「私」(PC)をディスカッションの場所まで運んでくれたり、大きな文字で書いてくれたりと様々な場面で配慮してくれました。素晴らしい仲間がいたからこそ、私は1年間受講することができました。

どれほど頑張っても札幌と函館の距離は縮まりませんし、受講をすれば少なからず仲間に面倒をかけてしまいます。しかし、仲間を頼って全面的に甘えよう、と割り切って行動するようになってからは、通信での授業に不便さを感じることは無くなりました。自分からできないと諦めるのではなく、臆せず仲間に甘えること、そのための信頼関係を築くことが通信受講のコツかもしれません。

その代わり、カメラ越しだからこそ把握できる客観的な視点を仲間へ還元しよう、これが私の役割だ、と認識して意見を述べるようにしました。そのために必要なスキルも自習し、ディスカッション中に積極的に活用しました。この経験は、チームにおける自らの役割や発揮するべき能力を強く意識するきっかけとなりました。

新渡戸スクールは、語学だけでなく、「仲間のために自分が出来ることは何か」を知り、行動する力をトレーニングする場でもあります。場所や距離にとらわれず、お互いを信頼し、相手のために自らの能力(専門性)を発揮することこそグローバル社会に必要な力ではないでしょうか。

 

研究と新渡戸スクールをどう両立していますか。

スクールに充てる時間は授業日だけにする、というルールを自らに課しており、スクールの課題は授業後すぐに取り組みます。したがって、他の時間は全て研究に充てることができるため、研究とスクールを両立できています。

また、スクールで学んだプロジェクトマネジメントを研究生活にも応用し、短期的・長期的の両面から実験計画を立て研究全体の進捗を管理しています。学会発表や論文作成の時期を計画しやすく、とても重宝しています。

 

思い描いているキャリアパス・将来像

私は自分の専門性を発揮して、地方経済の活性化に貢献したいと考えています。

これまで水産業の現状や課題を学ぶ中で、水産業を活性化して財源を確保することにより、高齢化や人口減少の問題を解決できるのではないかと考えるようになりました。そこで、私の専門性である1.水産学・生化学・食品科学に関する専門知識と、2.物事を客観的に分析し解決策を提案する力を活かし、水産業を通じた地方経済の再興をライフワークにしたいと考えています。特に、地方の水産業は食品製造が主要であるため、専門性を発揮することにより、製造方法や品質管理に関する課題解決を支援できると考えています。

 

笹岡 友季穂/SASAOKA Yukiho

水産科学院 博士課程